遺族厚生年金の給付額を計算する方法


前回:遺族年金って結局いくらもらえるの?

前回は、遺族年金の大枠について説明し、遺族厚生年金は試算が難しいよ、という話をしました。今日の記事では、遺族厚生年金の複雑な計算にチャレンジします。

遺族厚生年金の公式

まずは、遺族厚生年金の計算式をご紹介。

遺族厚生年金額 = (平均標準報酬額 × 5.481 / 1000 × 加入月数) × 3 / 4

筆者のケースでは考慮しなくていい部分を省いています。厳密な仕様を把握したい方は、 日本年金機構のホームページ ↗ をご覧ください。

そして、遺族厚生年金は若年者を優遇する措置があり、厚生年金への加入月数がどんなに短くても、計算式においては 300月 となります。 筆者はまだ社会人になって5年も経っていませんから、今回は 加入月数 = 300 で固定です。

後は、平均標準報酬額がわかればOK。

平均標準報酬額

平均標準報酬額というのは、おおむね 厚生年金加入中の収入(月平均) です。 実際には月々のお給料と連動しているわけではなく、 定時決定 ↗ 随時改定 ↗ という2つのロジックによって決まります。

シミュレーションにおいては、これまでの納付実績を使って計算するのがよいです。納付実績は ねんきんネット ↗ で確認できます。

年金記録を確認する > 厚生年金保険加入記録を確認する、と次のような表があります。

厚生年金加入記録

図:ねんきんネット 厚生年金加入記録

これを1つ1つスプレッドシートにまとめていきます。

スプレッドシート(標準報酬月額)

図:スプレッドシート(標準報酬月額)

賞与も同じようにまとめます。

スプレッドシート(標準賞与額)

図:スプレッドシート(標準賞与額)

加入月数も同じページに記載されています。

ねんきんネット 加入月数

図:ねんきんネット 加入月数

報酬額を全部足し合わせて加入月数で割りましょう!平均標準報酬額ゲット!とはならないんですね

再評価率の適用

昔の1万円と今の1万円は価値が違います。世の中の物価や賃金の水準は、刻々と変わっていくので、昔の給料30万円と今の給料30万を同列に扱うと公平な計算ができないんですね。

これを調整するのが、 再評価 ↗ です。 過去の報酬に対しては、再評価率をかけ算してあげましょう。今回は 令和7年度の再評価率 ↗ を利用します。

さきほど用意したスプレッドシートに、期間に対応した再評価率を追加しました。

スプレッドシート(再評価済み標準報酬月額)

図:スプレッドシート(再評価済み標準報酬月額)

ゴールが見えてきました!再評価率をかけ算した報酬額を全て足し合わせ、加入月数で割り算すると平均標準報酬額が求まります。 冒頭の計算式に戻って、5.481 / 10003 / 4 をかけると遺族厚生年金の給付額(年額)の算出完了です。

まとめ

遺族厚生年金の計算ロジックを紐解いて、納付実績をもとに給付額を試算しました。

筆者は社会保険の専門家ではないので、計算に誤りや不正確な部分はあるかもしれません。計算手法にバグを見つけたら、フィードバックいただけると勉強になります。

実際、別の手法で計算した場合は、少し違う金額が算出されました。別解については、次の記事にて解説します。

その他、筆者の個人的な所感です。

  • みなし300月の制度は、若手社会人に大きな安心を与えてくれる。ありがとう日本
  • ねんきんネットで、再評価済みの標準報酬額を確認できると嬉しいなあ

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